十日町Pの思ったことを根拠なしに言い放つブログtokamachiP’s blog

根拠がなくても自信たっぷりに言えば、説得力が増すというイリュージョンをお目にかけるブログ

かまいたちの夜の文章が読みやすく、普段読書をしない人にもおススメ

かまいたちの夜」というゲームをご存じだろうか。

 

1994年11月25日にスーパーファミコン用ソフトとして発売されて、多くのファンを持つ作品である。

 

ちょうど25周年でもあるが、若い人はしらない人もいるかもしれない。

 

かまいたちの夜2、かまいたちの夜×3(トリプル)、真かまいたちの夜とシリーズ作は作られているが、最後の真かまいたちの夜が2011年に発売されてからは続編がなく、シリーズとしては終わった感がある。

 

しかし、初代かまいたちの夜はいつの時代に読んでも色あせることがないように思う。

 

周回するゲームであるため、同じ文章を何度も読むことになるが、そこま面倒くさいとは思わない。なんとなく軽妙な語り口が小気味よくしみとおってくるのだ。

 

文章は主人公「透(とおる:スタート時に変更可)」の視点、いわゆる一人称視点で紡がれていくが、この透がお調子者なせいか、文章が軽い。

 

地の文は透の思考なので、堅苦しい文章がない。

小説というと文学的表現があって、それが小説としての味わいを出していることも確かであるけれど、小説を読みなれていない人にはとっつきにくい部分もある。

 

かまいたちの夜では、全て透の語りである。何かを考える時に、難しい文章を使って考える人はいない。透の思考をなぞることで、難解な表現を回避することが出来て読みやすいのだ。

 

地の文も透の思考がだだもれで、恋人候補の「真理(まり:スタート時に変更可)」に対して、あんなことやこんなことを考えていたりもする。

そんなコミカルな表現もかまいたちの夜の魅力だろう。

 

 

作中で殺人事件が起きてからはシリアスなムードが流れるが、ぼくは事件が起きる前のみんなのやり取りが好きだ。

 

香山さんと「何が一番のぜいたくか?」と話し込んでいる時の

・真冬に暖房を効かせた室内でキンキンに冷えたビール

・真夏にガンガンにエアコンをかけた中での熱々の鍋

・南極でめっちゃストーブを焚いてアイスキャンデー

・赤道直下で冷凍庫に入ってその中で(真理にさえぎられて最後は聞けない)

といったやりとりが楽しい。

 

なんというか、実際にそういうやり取りをしているような感じが出ていて、現実に仲間としゃべっている時のくだらない会話をなんだか盗み見られているような感じが楽しいのだ。

 

このあと、バラバラの他殺死体が見つかり、シリアスモードに突入するのだが、ここからは透も推理しながら、プレイヤーも事件を推理していくことになる。

 

プレイヤーは神の視点なので、透が気づいていないことも知っているけれど、実は透が考えていること全部が分かるわけでもなかったりする。

 

だから、プレイヤーとしては「こんな行動をしてほしいなぁ」と思っても透はその通りにしてくれないし、プレイヤーが選んだ選択肢に対して「えっ、そんな解釈?」と思うような行動をとる。

 

そのギャップが楽しかったりもする。

 

まとまりがないけれど、今回はここまで。

ぜひプレイしてみてください。